未来塾通信36


自分自身の人生を生きる ・ 2

■以前、通信31に『他人から理解されないつらさと、そこから生まれるものについて』という題で、ある女子高生の悩みに答えた作家の返答をそのまま掲載したことがある。とても印象に残ったからである。

つい先日、その文章を読んだスウェーデン在住の若い女性からメールをもらった。心の中に温泉が湧くような温かい気持ちになり、その女性を心から応援したくなった。自分自身の人生を生きることは、職場や学校で「空気を読む」ことに全神経を使わなければならない社会の中では極めて難しい。このことについては、通信19『おなじ心ならん人と?孤独について』でも述べた。以下にその女性からのメールを全文そのまま掲載する。M・Mさんメールありがとうございました。掲載をお許し下さい。

初めまして。M・Mと申します。
突然のメールすみません。

残念ながら入塾のお願いではないのですが、
未来塾のホームページを見て、とても嬉しいことがあり、
それがあまりに嬉しくて、お礼を伝えたいと思いメールしました。
スパムメールやいたずらではありません。
とんでもない話に聞こえてしまうかもしれません。
不快な気分にさせてしまった場合は、本当に申し訳ありません。

もうずいぶん前になりますが、あるとき新聞で、
若者向けの悩み相談コーナーを見つけました。
その頃の私は高校生で、何事にも敏感で、
学校での周囲との価値観の違いや社会への疑問で悶々とし
気持ちが沈みがちな日々を送っていました。
その記事を読んだときまずとても驚き、だんだんと
自分が今まで感じたことのなかったようなさっぱりした気持ちになりました。

記事の内容は、私のようになんだか学校で
居心地の悪い思いをしている女の子の悩みに対して、
ある作家が「将来のあなたはある日フランスで画家として成功し
彼氏とお祝いをしている。彼氏が「なぜ画家に?」と尋ねると
あなたは昔学校で辛かったときのことを思い出す。
孤独という筆が人生を鮮やかにしてくれることもあるよ、とあなたは答える」
ととても斬新な回答をしたものでした。
悩みに対してのそんな答えの仕方を目にしたのは初めてでしたし、
そして何より投稿者と同年代の当時の私にとって
人生はきっと想像もつかないような面白いことでいっぱいなんだと
新しい期待を心に芽生えさせてくれました。

あれから何年も経ち、私は今ヨーロッパのスウェーデンという国にいます。
まさに、思春期のあの頃の私には想像出来なかった選択肢を選び
大好きな彼氏と一緒に、昨年からこの国で暮らし始めました。
もちろん今も大変なことはたくさんあるし落ち込むこともありますが、
最終的には「きっと大丈夫」「未来は明るい」と思い直すことが出来ます。
これもあの記事のおかげだな、と思うけれどあの記事はもう手元にはなく、
試しに「傘 絵を描く 新聞 悩み」と検索サイトに入力してみました。
すると、なんと唯一、未来塾という英語塾のホームページに
講師の方が全文そのまま載せて下さっているのを見つけました。
あの記事を初めて読んだときの気持ちがよみがえり、
とても嬉しくなりました。

あの記事の回答は、私にとって今でも最高の回答です。
同じ記事に感動してホームページに載せている方がいらっしゃって
とても幸運でした。ありがとうございました。

素晴らしい塾を経営されていらっしゃいますね。
あの記事を見に、またホームページを覗きに来ます。

日本は桜の季節が終わり、もう暖かくなったのでしょうか。
どうぞご自愛ください。

ありがとうございました。