途中からでも入塾できますか。
もちろんできます。ただし定員に達している場合にはお断りすることがあります。勉強しようと思ったときがスタートです。私は何よりも本人の初発の動機が大切だと考えています。種火がなければ、その後、炎が大きく燃え上がることも期待できませんからね。いやがるこどもを無理やり連れてきても効果はあまり上がりません。

部活と両立できるか心配です。両立できなくなったときは、塾を途中でやめることはできますか。
塾をやめることは、いつでもできます。基本的には入塾の時に、ご家庭でよく話し合われておくのが良いと思います。勉強も面白い、部活もきついけど楽しい、と感じている生徒はまず塾をやめません。一方、部活がきついから塾を避難場所のように考えるこどももいれば、勉強が難しくてわからなくなったから部活に逃げるこどももいます。どちらにせよ、きついことから逃避しようとする傾向があるのは確かです。その際、どうすれば良いのかは、ケースバイケースなので、一般論で申し上げることはできません。ご相談ください。私の塾では、途中でやめる生徒は2年に一人くらいの割合です。

何を基準に塾を選べばよいのか教えてください。
保護者の方にまずしっかり理解しておいていただきたいことがあります。それは、「すべてのこどもにとって良い塾などない」ということです。あまりにも単純な真理なので、忘れられていることが多いのです。学校の勉強になんとかついていければいいと考える生徒にとって良い塾が、東大をめざして勉強する生徒にとって良い塾であるはずがないのです。極端な例かもしれませんが、このことをしっかり認識した上で、私が良い塾だと考える(要するに私のこどもを通わせたいと思うかどうかということですが)基準を挙げてみます。
1. 一クラスの人数が最大でも20名を超えないこと。教師の力量によって多少の変動はありますが、10名前後が最適です。
2. 家から近いこと。
3. 受験に特化していないこと。
4. 地域に拠点を置いていること。
5. 最低でも10年前と同じ先生が教えていて、実力があること。
6. チェーン塾でないこと。(ロイヤリティーの問題や、講師の実力を必要としないなど、非常に問題が多い)

以上ですが、より詳しいことを知りたい方は,ESSAY「学力低下は塾のせい?」をお読みください。

ごまかし勉強も受験に有利なら仕方がないのではありませんか。とりあえずテストの点を上げないとこどもが自信をもてないと思うのですが。
ごまかし勉強は受験にまったく不利です。受験競争は団塊の世代のころの方が、現在に比べればはるかに激しかったのです。もし、ごまかし勉強が受験に有利なら、ごまかしを多用していたはずです。しかし、受験競争がかなり緩和され、受験圧力が弱まった今になってごまかし勉強が増加しているのです。受験参考書一つをとっても、その変化からこのことが立証できます。駿台予備校が『駿台式!本当の勉強力』なる本を今になって出版しなければならない理由もここにあるのです。以下に、ごまかし勉強の特徴を簡単にまとめてみます。
   特徴
1. 教科書に範囲を限定し、興味に応じて勉強範囲を広げたりしない。(つまらない。興味がもてない。目的、意義がわからない)
2. 自分の頭で考えたりまとめたりせず、他人が作って指定したもののみを記憶する。(発見や進歩の実感がない。やらされているのはただの作業)
3. 意味を考えずただ機械的に暗記する。(応用力がつかない。全体と部分の関係、他分野との関係がわからない)
4. 実力がつく方法を考えずに、ただ量をこなす。(うんざり。つらい。自分は機械か?)
5. 過程より結果を重視する。(あたりはずれに一喜一憂。問題の質には無関心)
いかがでしょうか。知識を全体との関連で積み上げていかなければならない教科では、過去の学習内容の理解が重要になります。内容が高度になるにしたがって、どんどんごまかしがしずらくなってきます。そして、苦手意識だけが残るのです。中学時代にはなんとかごまかしで済ませていても、大学入試レベルになると通用しなくなります。高校に入って成績が下がる人の多くは、ごまかし勉強から正統派の勉強に切り替えることができなかった人です。さらに「点数さえ取れれば自信がつく」という考えは、あまりにも単純です。ごまかしで得た知識は、テストが終わればすぐに忘れてしまいますから、何も蓄積されず、意欲につながらないのは当たり前です。「不正な手段で金持ちになった人が、それがきっかけでまじめに働くようになる」ということがあり得ないのと同じです。